ピクサー・イン・ア・ボックス「ストーリーテリングの技法」7
最終更新: 2月8日
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ピクサー無料講座「ストーリーテリングの技法」日本語訳その7
カーン・アカデミーで公開中のピクサーの無料講座「ストーリーテリングの技法」の日本語訳を公開いたします。
今回は、新たに公開されたレッスン2の導入文と1つ目の動画「キャラクターのためのイントロダクション」の翻訳です。
これまでの翻訳はこちらです。
レッスン1
※本記事のキャプチャーはすべて、カーン・アカデミーで公開中のピクサーの無料講座「ストーリーテリングの技法」レッスン2の1つ目の動画「キャラクターのためのイントロダクション」からのものです。また、カーン・アカデミーが掲載している米Pixar社の動画教育コンテンツに許可を得て翻訳し掲載しておりますが、Pixar社が本動画に正式な日本語訳を付与した場合にはそちらが正しいため、本コンテンツの掲載を取りやめる可能性があることをご理解ください。
レッスン2「キャラクター」の導入文
キャラクターは、ピクサーが作るすべての映画の中心にいます。キャラクターとは、どの物語の旅のなかでも、私たちが追いかける存在です。しかし、ピクサーはどのようにして、そういうキャラクターを思いつき、ただの無個性なアイデア以上のものにし、命を吹き込んでいるのでしょうか? このレッスンでは、ピクサーにおいてキャラクター開発がどのようにストーリー・テリングのプロセスを動かしているのかを探求します。そして、あなたは自分のストーリーのキャラクターを作ろうと考え始めるでしょう。
動画1:キャラクターのためのイントロダクション

アフトン・コービン:あら、ルイーズ!
ルイーズ:何しているの?
アフトン:キャラクターレッスンに取り組んでいるんだけど、正直、ちょっと苦戦しているの。観客にキャラクターへの関心を持ってもらうために、あなたはどうやっているの?
ルイーズ:それは、本当に難しいよね。エレベーター・テストって聞いたことある?
アフトン:ううん。どんなもの?
(二人はエレベーターに乗り込む)

ルイーズ:キャラクターを作っているときに、そのキャラクターがどんな存在なのか理解したいと思ったら、とっても役に立つのが、そのキャラクターをエレベーターに乗せて……(乗っているエレベーターが止まってしまう)何が起きたの?

アフトン:大丈夫、ルイーズ。エレベーターの話を続けて。
ルイーズ:うん。そう、キャラクターを理解しようとするときは、キャラクターをエレベーターに閉じ込めて、危機的状況でどう反応するかを見るといいの。(電気が消えてしまう)ここから出して!誰かいませんか?エレベーターが止まっているんです。本当に止まっているんです。

アフトン:これを試してみよう。(電気が点く)よし、ライトは点いた。次はどうしよう?


アフトン:私たちはミーティングに遅刻しているから、きっと誰かが気づいてくれるよ。
アフトン:息を吸って。どこかに抜け穴があるはず。息を吐いて。

(泣き崩れるルイーズ と深呼吸するアフトン)

ルイーズ:だめ、動かない!

アフトン:オッケー、ルイーズ。あなたは大丈夫?
ルイーズ:大丈夫よ!



エレベーター:こんにちは。エクササイズは終わりましたか?
ルイーズ:えっと、エレベーターから出してちょうだい。
エレベーター:まさにここはエレベーターです。私のエクササイズは、自分のキャラクターが、困難な状況でどう振る舞うかを考えるのに役立ちましたか?
ルイーズ:ふざけているの? ここから出しなさい!

アフトン:ちょっと待って、ルイーズ。私は、本当に役立ったと思う。人間が危機的状況で実際に何をするのか、とても良くわかったの。あなたはどう?
ルイーズ:えっと、その……
エレベーター:エクササイズは成功のようですね。そして、あなたはそれぞれのキャラクターで異なっているところを発見しました。しかも、おもしろいキャラクターは、たいてい大きな欠点を持っている、ということも。
でも、ご心配なく。そういう欠点は、観客がそのキャラに関心を持つ理由にもなりうるんです。ストーリー全体を通して、私たちが追いかけるキャラクターは、人の場合もあれば、ネズミや魚、車やロボットかもしれませんが、キャラクターたちが得る教訓や直面する困難、抱く感情は、観客にも共有されるでしょう。

そして、観客の関心を引くキャラクターを作り出そうと挑戦するあなたには、他にもたくさんのレッスンが用意されています。

アフトン:そのとおりね。エレベーターさん。それこそ、このレッスンの内容、つまり、キャラクターと遊ぶことです。
エレベーター:私はいつもここで、あなたのストーリーを次のレベルに進めるお手伝いをしますので、覚えていてください。

アフトン、ルイーズ:バイバイ、エレベーターさん。

エレベーター:次は、もっときちんとしたキャラクターに乗ってもらいたいものです。
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