ピクサー・イン・ア・ボックス「ストーリーテリングの技法」5
最終更新: 2月8日
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ピクサー無料講座「ストーリーテリングの技法」日本語訳その5
カーン・アカデミーで公開中のピクサーの無料講座「ストーリーテリングの技法」の日本語訳を公開いたします。
今回は、レッスン1の5つ目の動画「世界とキャラクター」とアクティビティ4の翻訳です。
これまでの翻訳はこちらです。
※本記事のキャプチャーはすべて、カーン・アカデミーで公開中のピクサーの無料講座「ストーリーテリングの技法」レッスン1の5つ目の動画「世界とキャラクター」とアクティビティ4からのものです。
動画5:世界とキャラクター
(ヴァレリー・ラポイントの語り)
「もしも…」という文章は、突き詰めると、世界とキャラクターにつながっています。

それは、文字通りにサンゴ礁だったり、比喩的に少女の心だったりします。
もちろん、キャラクターとは、ストーリーの旅路において、わたしたちが追いかける主体や個人のことです。
「もしも、小さいロボットが地球に残されたら?」

それでは、ピクサーのストーリー・アーティストたちに、印象に残っている世界やキャラクターについて聞いてみましょう。

【どんな世界やキャラクターが好きでしたか?】
(サンジェイ・パテルの回答)

『スター・ウォーズ』は、すばらしい「もしも…」という問いを持っています。それは、「もしも、人の心の守護者になろうとする反乱軍がいたら、そして例えば、この種の人間の繊細な感情を一掃しようとする感情を持たないテクノロジーのあいだで続く大戦争があったら」というものです。それこそまさに、あの世界へと私を引き込んだ強力な「もしも…」という問いなのです。
(クリステン・レスターの回答)

『トイ・ストーリー』の世界がすばらしいのは、実に美しい成長のメタファーとなっているからです。そして、天才的なのは、外から見ると非常にシンプルなのに、内側は非常に複雑で美しいところです。
だから、『トイ・ストーリー』は、ストーリーを導いてくれるような世界、そして、わたしたちみんなが理解しやすいメタファーを含んだ世界の良い見本だと思います。
(サンジェイ・パテルの回答)

この世界は、妻と一緒に家庭を築くために、赤ん坊を盗もうとしている主人公の脇役になっています。
このキャラクターは、信じられないほど生き生きしているように感じられて、スクリーンのところに実際に立っているようでしたし、いまだにすごくリアリティがあります。
(ドミー・シーの回答)

わたしにとってはいつも、キャラクターが第一で、世界はその次です。
たとえば、目の見えない人が、ズボンを履き忘れて仕事に出かけてしまうストーリーと、目の見える人がズボンを履き忘れて仕事に出かけてしまうストーリーでは全く異なるでしょう。物や舞台設定などがすべてまったく同じだとしても、二人のキャラクターでは、まったく異なるストーリーになります。
だからわたしにとっては、キャラクターが一番なんです。
(マーク・アンドリュースの回答)

みんな少しずつ違うけれど、わたしの場合は、まず世界にたどり着いて、それからその世界へと入っていくキャラクター、あるいは、そのキャラクターがどんな人になっていくかを探り出します。わたしは、大勢のほかのキャラクターが通り過ぎるために、ステージをセットする必要がありました。それこそが、ストーリーを生みだすための方程式でした。
(再びヴァレリー・ラポイントの語り)
世界が先に来る場合もあれば、キャラクターが先に来る場合もあります。いずれにせよ、世界とキャラクターという二つの要素が出会うとき、ストーリーが生まれます。

それでは、次のエクササイズで、大好きなストーリーのキャラクターと世界を考えて、ウォーミングアップしましょう。
アクティビティ4
エクササイズ4:キャラクターと世界

パートA:お気に入りの3つの映画を思い出してください。それぞれの映画の世界とキャラクターを書き出してみましょう。
・誰がメインキャラクターですか?
・自分を重ね合わせられるキャラクターはいますか?
・その映画はどこを舞台にしていますか?それは、一つの世界ですか、複数の世界ですか?
パートB:違う映画のキャラクターと世界をミックスしてみましょう。何度か試して、どうなるか見てみましょう。
パートC:前のエクササイズで考えた3つの「もしも…」に戻りましょう。そこから「お気に入り」をひとつ選んでください。ありえそうなキャラクターと世界を想像できますか?
パートD(任意):その世界にどんな生き物がいそうか、絵にしたり書いたりしてみましょう。
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※本記事は、カーン・アカデミーが掲載している米Pixar社の動画教育コンテンツに許可を得て翻訳し掲載しておりますが、Pixar社が本動画に正式な日本語訳を付与した場合にはそちらが正しいため、本コンテンツの掲載を取りやめる可能性があることをご理解ください。